関西特有の敷引きもケースによっては無効です
■敷引き(解約引き)とは
■関西地方では、賃貸物件の退去の際に敷金の一部を差し引く敷引き(解約引き)が 長年の慣習となっています。
敷引きは、賃貸借契約の際に原状回復にかかる費用を予め決めてしまい、退去時に 部屋の補修費が敷引き額を超えても超えなくても、それで済ませましょうという 考え方です。 退去時に経年変化や過失割合などを逐一考慮せず、汚れていてもいなくても 一律敷引き額で収めるという、ある意味合理的なやり方です。
■一般に、退去時の原状回復費用(特別損耗)を精算する方法には、
次の2つの方法があります。
1、実費による個別精算 |
2、敷金敷引き方式による一律精算 |
■関西では、少し前まで2、の方式によるのが一般的でした。
この方式は基本的には退去時の原状回復を一律精算とする趣旨と解釈されますので、
仮に原状回復費用が敷引き以上にかかったとしてもそれを借主に請求しないというの
が建前です。
しかし、家主の中には敷引きをしておいて、更に敷引き以上に壁の張り替えや畳の
張り替え等の原状回復費用がかかったと主張して、敷金返還額を減額する、あるいは
追加請求するという人もいます。
これは、いわば二重取りに近いやり方で、不当請求にあたるケースが大半です。
このようなケースでは家主の言いなりにならず、敷金返還額の減額や追加請求が不当請求である旨を内容証明で主張しましょう |
もちろん、借主の過失による特別損耗が多いケースでは必ずしも借主の主張が通る
とは限りませんが、主張しなければ不当請求がまかり通ってしまいます。
当事務所がご依頼を受けた多くのケースでは、敷金返還が実現あるいは追加請求を
免れています。
■不当に高額の敷引き(解約引き)は違法とされる余地もある
■敷引きの割合が不当に高い場合には、敷引き自体が違法(妥当とされる割合を超える部分につき)とされることも、判例で認められています。
・敷金返還を認めた判決1(2005年10月・福岡) 保証金23万円のうち75%を返還しないという敷引き特約につき、「25%を超える分は 消費者契約法に違反するため、無効」との判決が下されています。 |
・敷金返還を認めた判決2(2005年7月・神戸) 家賃5万6000円・保証金30万円・敷引き25万円、賃貸期間約7ヵ月の事例で、敷引き 特約は消費者契約法10条に違反し無効であるとして、賃貸人に対し25万円の返還 を命じる判決が下されています。 |
■もちろん、判決というのは個別事例に応じた判断ですので、これらの判決により、
敷引き特約そのものが全て違法と判断されるとまではいえません。
しかし、敷引きの割合が不当に高い場合には、法的根拠を明示して交渉すれば
敷引きの減額がかなりの確率で期待できるといえるでしょう。
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■敷金返還の請求には内容証明で法的根拠を明示する
■敷金返還を請求するには、敷金返還を請求する法的な根拠を明確にした内容証明を 作成し、郵送することが有効です。 単なる口頭による交渉や、法的な根拠の明示がない内容証明による交渉では、 言葉は悪いですが足元を見られますので問題の解決は困難です。 敷金精算書を綿密にチェックして、どこがどのように納得いかないのか具体的に 指摘・アピールしなければ、満足な敷金返還は実現しません。 敷金は一時的に貸主に預けているだけで、本来は借主のものです。 おかしいと思ったら、泣き寝入りをする前に当事務所にご相談下さい。
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