■内容証明が来た時の対処方法


内容証明が来たといっても、元をただせばただの手紙に過ぎないものですので、必要
 以上に慌てる必要はありません。

 内容証明が来た時に、普通の人はその物々しい体裁や文体から、なにかただ事では
 ないようなオーラを感じてしまうものです。
 しかし、内容証明は受け取った人に何かを強制する法的な力があるものではありませ
 ん。

■大切なことは、内容証明が来た時にその書類の内容を見て、相手がどういう意図で
 内容証明を送って来たかを読み取る
ことです。

 内容によっては、早急に対処しなければならない場合もありますので、よくわから
 ないという時には専門家の判断を仰ぐということも必要でしょう。

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内容証明が来た時に専門家が関わっているか見抜くためのチェックポイント

・市販の手書き用の内容証明用紙を使わずにワープロ打ち
  専門家は今時手書きの内容証明用紙を使わないのが普通です
・文字のサイズが12ポイント
  裁判書類の書式の文字サイズである12ポイントを使うことが一般的です
・簡略で無駄がなく分かり易い文面
  簡略にして無駄がなく、それでいて要点を得て威圧感があるのがプロの文章です


このような条件に当てはまる内容証明が来た時の対応には、慎重になられたほうがよいと思います。
上にも書いたように、内容証明そのものには通常、直接の法的効果はありません。
しかし、専門家は無駄なことをしないのが普通ですから、内容証明が来た時には何らかの次の手段が用意してある場合が多いのです。
ですから、このような内容証明が来た時には、より慎重な対処をされた方がよいでしょう。
意図がわからない場合には当事務所にご相談頂ければ、対処方法を含めたアドバイスが可能です。


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■裁判所からの特別送達には要注意


■内容証明が来た時、内容証明そのものには直接の法的な効果はありませんから、放置しておいても問題ない場合が大半です。

しかし、送られて来た書類が裁判所からの特別送達、例えば訴状・支払督促などの場合には、それを放置しておくことは厳禁です。

訴状とは、簡単にいえば
「あなたが誰それから訴えられたので異議があれば裁判所に出頭して述べて下さい」
という意味の書類です。


たとえそれが、事実に反する訴えや法的に根拠のない訴えであっても、被告として訴えられた人は受けて立たざるを得ない立場になります。
一見理不尽とも思えますが、こうしないと裁判制度を維持していく事が事実上不可能となりますので、これは仕方のないことといえます。
もし仮に訴状を無視して出頭を怠ると、欠席判決となり、相手の言い分を100%認めた判決が下され、敗訴することになってしまいます。


支払督促は、通常の裁判手続きよりも簡単・迅速な手続きで裁判所から債務者に対して金銭などの支払を命じる督促状を送ってもらえる制度です。


この支払督促の申し立てがなされた場合、裁判所は書面上の形式的な審査のみで、特に問題がなければ債務者に支払督促を送ります。
もちろん、債務者が異議を申し立てれば正式な裁判に移行するわけですが、支払督促も訴状と同様、放置しておくと無条件に支払督促通りの義務を負わされるハメになってしまいます。

ですから、支払督促に異議がある場合には2週間以内に異議申し立てをしなければなりません。
この場合の異議申し立てには理由や証拠は不要です。ただ異議がある旨を申し立てるだけでOKです。
異議申し立てをすると、通常の裁判手続きに移行し、申立人と裁判で争うことになります。

このように、内容証明が来た時と裁判所からの特別送達が来た時とは、その意味が全く違いますので、区別して対処する必要があり、特別送達の場合には、くれぐれも放置は厳禁です。



■支払督促や少額訴訟の呼び出し状を悪用した架空請求


最近では、裁判所による支払督促や少額訴訟の呼び出し状等を、仮装、悪用して
架空請求するという手段が横行していますので注意しなければなりません。

※本物の特別送達の特徴


■「特別送達」と記載された,裁判所の名前入りの封書で送付されてきます。
 ※ 「支払督促」や「少額訴訟の呼出状」が,はがきや普通郵便で送付されてくること
   はありません。

■郵便職員が名宛人に手渡ししてサインをもらうことになっており、普通のはがきや
 封書のように、郵便受けに投げ込まれることはありません。

 ※そして,郵便職員から受け取るときは,「郵便送達報告書」に受け取った人の署名
  又は押印をするよう求められます。

■裁判所で付した「支払督促」や「少額訴訟の呼出状」の「事件番号」・「事件名」が
 記載されています。


本当の支払督促には,金銭を振り込む預金口座は記載されることはありません。
したがって,受け取った書類に振込口座の記載がされていた場合には,それは支払督促ではありません。
ですから絶対に金銭をその口座に振り込むことのないようにしなければなりません。
また、名目のいかんを問わず、裁判所から郵送等で直接「お金を振り込むように」という連絡が来ることもありません。

悪質な架空請求、振込め詐欺には、くれぐれもご用心下さい。


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行政書士 小川浩樹(兵庫県行政書士会会員 阪神支部所属)

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